Balalaika-シェークの回数 その2

前回やってみたシェークの回数の検証が面白かったのでもう少し掘り下げてみます。

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作るのはバラライカ。ウオッカ30ml、ホワイトキュラソー15ml、レモンジュース15mlをシェーカーに注ぎます。

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前回は60往復、20往復でやってみたのでその間の30往復でシェークします。
40にしなかった理由は30から40往復の間にシェーカーに霜がつくことがあるので、その前にストップして味をみたかったからです。

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シェーカーに霜がつかず、氷もそんなに砕けずにいい感じで出来ました。
次に思い切って10往復でも作ってみます。

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10往復だとシェーク始めたなと思ったら終わる程度になり、氷は砕けず表面に氷のフレークも浮きません。

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30往復は水っぽくもならず、でもお酒の強さもありつつ20往復と60往復の間の味わいですね。

10往復は飲んだ時にヌルっとした感じがあり冷えているという感じはありません。ただ、まったく混ざってないかというとそうでもなく素材の生っぽさが強く残る味になるという気がします。

すごくいい素材(お酒も含めて)、そのまま味わってもらいたい素材であればあるほど回数は少なく、そのまま飲むと少しアクが強い素材はしっかり混ぜて素材を変化させるといいと感じました。

10往復を前回の60往復を比べると10往復の方がきつく、ぬるく、素材の味がダイレクトに残りやすい。でもそれはダメじゃないんです。それがダメじゃなく、逆に60往復は冷たいですが、しっかり混ざっている分味がぼやけやすいというか、市販の缶チューハイ的な人工的に混ぜた味わいに近づきます。しっかり混ぜると飲みやすさは増しますが個性が減ります。

お酒の好きな方に60往復したこのカクテルを飲んでもらうと気の抜けたビールのような味わいを感じられるかもしれません。その場合、風味を生かして20往復、あるいは素材を吟味して10往復でもいい。

ただ、ショートカクテルを飲みなれてない人には10往復など回数が少ないとただのぬるい、きついだけのカクテルに感じられます。その場合はしっかりシェークをすればいい、でも、だからといって霜がつくまでシェークしなければいけないというわけでもありません。

大事なのはどのくらいの回数で味がどのくらいになるのかイメージできる事。

そのイメージが明確に出来てから相手を見てどの味わいのバラライカを作ればいいのか、相手によって、またはどのくらい酔っているか、どんな体調・気分なのかをよく観察してその人に合った味わいを作れるようになること。だから今は○○回です、と言い切れるようになるまで何度もシェークの回数を変えて作り、味を確認する事でイメージが明確になるようにする事かもしれません。

後、気づいたのは冷たさを感じるためにはある程度細かい氷を浮かすのも重要です。
それは、氷の状態や大きさ、量などが関係しているんじゃないかな…

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